4-1 視力回復トレーニング!―立体視の問題点―

立体視をして視力回復!っていう本ありますよね.果たして立体視をすることにどれほど視力回復の効果があるのでしょうか?

まず,少なくとも継続して行わなければ効果はないでしょう.柔軟や筋トレと同じで,人間の身体的な能力を道具を使わずに上げようと思えば,継続して訓練する必要があります.立体視は筋トレなどと違って身体的疲労や時間は少ないはずなので,「視力回復したい!!」という意志さえあれば続けられるはずです.何事も意志がなければ続きません.


図4-1 焦点の動き

近視の人は遠くの物をクッキリ見ることができません.では,立体視は十分にその訓練になっているでしょうか?前章(3.立体視の仕組み(平行法))に書きましたが,立体視をする時に目の焦点は絵(たかだか数十センチ)に合っています.そのため,遠くを見る訓練にはなっていないように思います.ただ,焦点を絵に合わせようと前後させますし,普段使わない目の使い方をするわけですから,その際にピント調節機能が鍛えられるでしょう.


図4-2 照準の距離

立体視をする時に,照準の距離はどの程度遠くになっているのでしょうか?目と目の間隔を7cm,顔と絵の距離を30cm,絵の点と点の間隔をh cmとした時に照準の距離L cmは


となります(中学数学で出せるはず).実際に計算してみると,点と点の間隔h=3cmのときL=52.5cm,h=5cmのときL=105cmとなります.つまり,立体視をしても高々50cmとか1m先を見ているのと変わらないのです.それなら実際に3m先のものと30cm先のものを交互に見たほうが効果がありそうな気がします.

立体視の問題点

簡単にまとめると,立体視で視力回復するには以下の点が問題です.
  • 焦点は絵に合っている.(別に遠くじゃない)
  • 実は照準もそんなに遠くない.
そこで,これらの問題点を解決した方法をご紹介します.と言っても大したものではないのですが.

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